第44話 蕎麦 to 僕
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
Dkichiです。
バイトが終わり、夜の道を歩く。
少し歩くスピードを緩めた。
疲れた。
何に??
何にだろう。
蕎麦を買った。
ワンコインで買えるコンビニの蕎麦。
美味しと感じるほど舌が元気ではなさそうだが、
がっつり食べれるほど体に余力はない。
家に着き時計を覗く。
短い針は12時を回っていた。
金から土になるころにリビングの椅子に腰をかける。
何年も座っている椅子だがこれほど感謝するのは稀だ。
蕎麦を食べ始めた。
固まってなかなか取れない。
今の自分の心情を表しているようで
僕はすこし頬を赤めた。
ベストシーズンとはいえない蕎麦。
疲れて食感もぐちゃぐちゃ。
青ねぎは辛く感じる。
わさびは甘い。
蕎麦をほぐす水のせいで麺が柔らかい。
疲れってすごい。
感覚が鋭くとがる。
けど、どこかで胸焼けのするような、
喉の奥に何かがつっかえる。
自分は生きているんだ。
疲れはそれを教えてくれる。
小さい頃旅行で行った場所を思い出せてくれるような。
そういう教え方だ。
僕はあまり美味しくないこの蕎麦の味を
覚えておくことにした。
それでは、ごきげんよう!